小豆とあんこの由来と栄養

小豆とあんこの由来と栄養

人生の節目のお祝いごとに小豆を使った赤飯やあんこを使った和菓子は欠かせませんが、実は小豆は縄文時代の遺跡からも炭化した小豆の種子が発見されているほど、古くから食用として用いられていたようです。
現代ではあんこを使ったお菓子も和菓子だけでなく、和洋菓子としてケーキやタルトなど様々にアレンジされています。

■小豆とあんこの由来と歴史

小豆の「ア」は赤い色から、「ズキ」は溶けるほど柔らかいという意味から、”アズキ”と名付けられたようです。
昔から赤い太陽や赤い炎は信仰の対象であるとともに、赤い色は魔除けの色として邪気を払うと重んじられてきました。
赤い色をした小豆も、厄除けや魔除けとして食されてきたようです。

あんことして伝わったのは、紀元607年推古天皇時代と言われています。
団喜(だんき)いう名前で、今の肉まんのような形の野菜や肉を詰めたものが、遣隋使によって伝えられたようです。
その後、僧侶たちによって塩味の小豆あんが薬膳に用いられてきました。
今のような甘い小豆あんが用いられるようになったのは、室町時代から安土桃山時代になって、茶道が広まってからと言われています。

■小豆の栄養素とパワー

小豆には代謝を整えて、余分な老廃物を排出させる作用があります。
体のむくみやだるさを改善し、かゆみや吹き出物などの肌トラブルにも効くと言われています。
小豆に含まれる栄養素は、解毒作用や脚気予防になるビタミンB1、皮膚を健康に保つビタミンB2、だるさや疲れをとるビタミンB6が含まれています。

また、小豆にはコレステロールの上昇を抑制するポリフェノールやカルシウム、鉄分を含むミネラル、便秘に効果がある食物繊維、更年期障害の予防と改善に効果があるイソフラボンなども含まれています。
小豆は、小さいながらオールマイティの食材と言えます。

■餡も色々、豆も色々

和菓子作りに欠かせない小豆ですが、粒あんやこしあんとして一般的に使用する小粒のものを通常小豆と呼びます。
大粒の小豆を”大納言小豆”と呼び、光沢があり味もコクがあります。
あんこの材料の豆には、白餡に使う手亡豆、大福豆、白花豆などがあります。
また、ずんだ餅に使われる枝豆などもあります。
他にも、和菓子に使われる豆には三つ豆や豆大福に用いられる赤エンドウ豆があります。

昔から産後の養生に、小豆粥やあんこ餅が食べられていたと言います。
小豆を使った料理は、出産で消耗した体を回復させ出産や授乳で失われた鉄分を補給する薬膳としての大切な役目を果たしてきたようです。