お菓子屋開業への道のり(お金、資格、許可、設備)

自分のお菓子屋を開くという夢を持っているものの、いざお菓子屋を開業しようとなると、資金はどのくらい必要なのか、お菓子屋を開くにはどんな資格や許可、設備が必要なのかわからないという人は少なくないと思います。
今回はそういったお菓子屋開業への道のりについて説明していきます。

1)開業にかかるお金と資金調達方法

ケーキ店の店内でホールケーキを持つパティシエ

1 不動産・保険にかかるお金

テナントでお菓子屋を開業するのなら当然家賃を支払う必要がありますが、まずは不動産屋に物件取得費というのを払う必要があります。
物件取得費とは主に前家賃・保証金・不動産仲介手数料などを合わせた費用で、保証金は場所によっては敷金・礼金として徴収されその費用は相場で家賃10ヶ月分、不動産仲介手数料は家賃の1か月分となり、合計して家賃のおおよそ12倍かかります。
また不動産屋によっては物件取得費の中に火災保険も組み込まれているところもあります。
お菓子屋は火を扱うので物件取得費の中に無くても火災保険には入っておきましょう。

2 内装にかかる費用の相場

物件を無事借りられるようになったら次は店舗の内装や設備を考えなければいけません。
業者を頼らずに内装を自分の力で工事できればその費用も抑えることが可能ですが、そうすると完成をするのにかなりの時間を要するため、業者の人に頼むのが無難です。
業者に内装工事をしてもらう場合、その費用は立地や客層など様々な要因で変わるものの、凝った内装をしない場合相場は坪単価30~50万円です。

3 資金調達

お菓子屋を開業するには膨大な資金がかかるため、それを調達する必要があります。
主な資金調達方法には融資制度があり公的・民間に分けられていますが、新規開業者は信用度が低いので、ほとんどの場合公的金融機関から融資をすることになります。
融資をする際には計画書を作成して貸付金をきちんと返済できるのかを示し、貸付金の同額の自己資金を持っていなければいけません。

2)開業する際に必要な資格・許可

クッキーが入った瓶が並ぶ店内

1 営業許可申請

お菓子屋を開業するためには、その所轄保健所の食品衛生課に営業許可を申請しなければいけません。
営業許可の手順としては最初に保健所に店舗の設備などに関する書類を提出、その際に保健所の職員による店舗現地調査の日時を調整します。
店舗現地調査が終了して問題がなければ営業することが可能で、その後飲食店営業許可証が交付されます。

2 食品衛生責任者

食品衛生責任者とは食品を扱う飲食店などを開業する際に必ず必要になる資格です。
お店に最低でも一人食品衛生責任者がいないと、所轄保健所から営業許可がもらえませんが、保健所では食品衛生責任者の講習会を開いているので、もし食品衛生責任者の資格を持っていない場合は受けるようにしましょう。

3 製菓衛生師

製菓衛生師というのは、お菓子の製造において衛生管理や資質向上を目的に、お菓子の作り方や衛生などのあらゆる専門知識を持っているかどうか証明するための資格です。
この資格を手に入れれば食品衛生責任者の資格も手に入れられるので、開業を検討している人は取っておいて損はありません。

3)お菓子屋に必要な設備

計量カップと計量スプーン

1 主に必要な設備

お菓子屋に必要な設備は作るお菓子によって異なりますが、お菓子屋全般で必要な設備としては冷蔵庫や調理用テーブルなどの調理器具や、お菓子を並べるためのショーケースやレジスターなどがあります。

2 設備は中古での購入も検討する

設備を全て新品で買うとかなりの額になり、後々金銭的に苦しくなってしまう可能性があります。
そのため開業する際は設備にお金をかけず、中古で購入してなるべく資金を使わないようにしましょう。

3 居抜き物件なら設備費用を削減出来る

設備費用を抑えるなら、居抜き物件を借りるのがおすすめです。
居抜き物件は前のお店の設備が残っていたり、水道やガスなどが既に整備されていたりするので、スケルトンの物件を借りて開業する場合よりも設備費用を安くすることが出来ます。