パン屋で人気?ちょっと変わったメニュー

パン屋に限らず、流行のお店のメニューで重要なことは二つしかありません。一つは「定番メニューの味が良い」ということ。もう一つは「ユニークな独自のメニューがある」ということです。
この二つは、新規開業の場合どちらか一つに特化すればいいというわけではなく、どちらも重要です。今回はこのうちの「ユニークな独自メニューがある」ということについてお伝えします。

1)定番メニューとユニークメニューの比較

この二つの要素を比較すると、「定番メニューの味の追求」というのは非常に難しいということがわかります。なぜなら、食パンやあんパン、クロワッサンなどの定番メニューは、見た目では味の判断がつかず、食べてもらわないとそれが本当に美味しいかどうかがわからないからです。また、定番メニューはどのパン屋でも作って出しているので、世の中の全てのパン屋がライバルだと言えます。更に言えば、味の好みというのは本当に人それぞれなので、ある人にとっては美味しくても、ある人にとってはイマイチだったりします。

では、そのパン屋にしかない、ユニークな独自メニューがあったらどうでしょうか?定番メニューと比較するとわかりやすいのですがこれは、食べなくても、アイデア一つで勝負することができるというメリットがあります。例えばそのお店に入った人がそのパンを見かけたら、その瞬間に味はわからなくても、そのユニークさの印象が脳裏に焼き付くのです。そして、もしそのアイデアが日本であなたしか考えられなかったメニューであった場合そのパンに関してのライバルは0です。あなたのお店、独自の売りになるのです。

2)ユニークなパンのアイデア

では、どのようにしてユニークなメニューを考えていけばいいのでしょうか?
これは全てのアイデアに共通して言えることなのですが、「複数のものの組み合わせ」が新しいアイデアを生みます。
わかりやすいもので言えば、iPhone は「携帯電話」と「タッチパネル」の組み合わせで出来ています。そしてその元となった携帯電話は、「電話機」という商品と、「携帯する」という概念を組み合わせて作ったものです。組み合わせが繋がってどんどん新しい商品が生まれているのです。

パン屋で言えば、組み合わせる物の片方はすでに決まっています。お分かりのように、パンです。パンと何を組み合わせるかということが、重要になります。これまでに様々なパンを見てきたお客さんが「パンとこれを組み合わせたのか!」と驚くようなアクロバティックな組み合わせがインパクトを生みます。

3)ユニークなパンの具体的な例

食パン×あんこ

あんこ入り食パン

食パンの生地の中にあんこが練り込まれています。
白と黒のコントラストが、見た目にもきれいです。洋食であるパンと、和食のあんこですが、この二つは味も非常にマッチします。

揚げパン×あんこ

パンにあんことマーガリンを挟んだ状態で揚げてあります。 揚げパンとあんこというダブルの「懐かしい味」と、分厚い衣の食べ応えで、ファンも多いのだとか。

パン×板チョコ×板バター

単純にパンにバターやチョコつけるだけではあまり変わったものではありません。しかし、これはパンから大きくはみ出るような形で板チョコと板バターが挟んであります。レンジで軽くチンして少し溶けた状態で食べるのが美味しいそうなので、その食べ方にもアイデアが感じられます。

パン×イラスト

かわいいイラストが金太郎飴のようにパンに練りこんであります。
作るのに手間隙はかかりそうですが、見たときにお客さんが笑顔になってくれるような温かみがあります。

パン×スイカ

外側の見た目もスイカですが、実は切ってみると中もスイカになっています。
アイデアにここまでこだわりを入れることで、パンに包丁を入れた時の驚きを演出してくれます。

パン×おむすび

シンプルな方が、かえって見た目のインパクトが大きいようです。
中にはネギと肉味噌が入っているそうです。

パン×ラーメン

ラーメンの器がパンで出来ています。チャーシュー、味玉、メンマまで載っているので、見た目はほぼラーメンです。

パン×うなぎ

かわいいと思うかどうかはお客さん次第ですが、インパクトはとても大きいです。
カラーリングにチョコレートをうまく使っています。

パン×ひらがな

このアイデアがどこでどうやって生まれたのか気になります。普通の「る」にしてはバランスがかなりおかしなことになっていますが、それもまた味になっています。

パン×ちくわ

ちくわパン

もともとは札幌のパン屋さんで開発されたもののようですが、その味が良かったためか全国に広まっています。 ユニークなパンが全国展開をしたという一つの例でしょう。

クロワッサン×高さ

クロワッサンと言えば定番のあの形を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。 しかし、このクロワッサンはその概念を覆して高さで勝負しています。

パン×ホラー

何かに驚いている表情をパンで表現しています。
その表情自体に、見ているこちらも驚かされます。

パン×ガチャピン

日本を代表する有名キャラクターがパンになっています。
表情が一つ一つ違うのも面白いですね。

4)定番メニューとの両立も大切に!

ここで紹介したのは、あくまでもユニークなメニューの一例ですが、それぞれオリジナリティがあり、他のパン屋には真似できないものばかりです。

そして、ユニークなメニューの一番のメリットは、それを見たお客さんがたとえそのパンを買わなかったとしても、その後「あそこのパン屋で面白いパンが売ってたよ」と話題にしてくれることです。そのように口コミで広まっていくお店というのは、長続きしやすいのです。
ただし、最初にお伝えしたように、パン屋さんにとって大切なのは「定番メニューの味が良いこと」と「変わった独自メニューがあること」の両方です。メニューのユニークさだけで勝負してもうまくはいかないでしょう。並行して定番メニューの味を追求していく方も忘れてはいけません。