パン屋のためのメルマガ集客術

メルマガの活用法として、集客とともにコミュニティ運営の役割を持たせることができるのも大きな販売効果や集客効果につながります。ライティングのプロではないパン屋でも、簡単なメルマガ活用法と5分で発行できるライティングテクニックを具体的に紹介してみましょう。

1)メルマガを発行するメリットと方法

パン屋は文章を書くプロではありません。しかも、朝早くから仕込みをしてそのまま開店、お客様の接客をしながら、さらに焼き立てパンを追加提供する仕事も同時に行います。メルマガをゆっくり書いている時間はありません。パン屋が発信する美味しい情報は、ふっくらとした焼き立てパンのように、特に女性の間で気持ちを豊かに膨らませる口コミ情報としての期待も担っていると言えます。売上よりも、自分が自信を持つパンの魅力を知ってもらうことを目的に、発行を考えてみましょう。

1 メルマガ発行のメリット

メルマガは、個性的なのパン屋に興味を持っていたり、美味しいパンの購入先を考えている全国の方に自分の店を知ってもらうことができる一つのメディアです。

しかも、定期的に季節の話題と関連したパンの味わい方を発信できるので、ニュースとしての価値も生まれます。グルメ通や、おしゃれな話題を求める、特に女性にとってパン屋の情報は魅力的な情報源にもなり、口コミ客を増やす大きな役割も果たすようになります。
こういったニーズに応えるメルマガ文章の書き方は、第2章で具体的に紹介します。

2 配信スタンドを利用したメルマガ発行

メルマガの発行には大きく三つの方法があります。

「1.自店が独自にメールを使って配信する」「2.配信ソフトを購入(あるいは配信会社と契約)して配信する」「3.メルマガスタンドに登録して配信(無料)する」の三つです。

1.は部数が増えると対応できません。
2.はソフトの購入やメールアドレスの獲得など初めてメルマガを発行するパン屋にとっては大変です。
そこで、3.の無料メルマガスタンドを活用した配信方法を中心に紹介します。
メルマガ配信スタンドを使って発行するためには登録とサンプルメルマガをアップする必要があります。そこで、登録の前にサンプルメルマガ編集の方法から紹介します。

2)メルマガ文章の書き方

メルマガを書くのに、1時間も2時間も大切な時間を費やすことは止めましょう。大上段に構えた記事よりも、身近な話題とパンの話題を関連づけて軟らかい文章があれば十分です。基本は、小さなメルマガを定期的に継続して発行を続けることにあります。

1 メルマガタイトルの決め方

タイトルは自由に決めれば良いのですが、ここでは基本を紹介しておきます。パン屋だから、ふっくらとしたイメージから紹介してみます。
実際は、このようなタイトルとともに20文字ほどあとに付け加えることができます。

  • 場所(立地)を打ち出す=「朝陽が差し込む○○(地名)のパン屋」
    天気の良い1日の始まりと、白いコック帽子とベーカリーユニフォームの白が朝陽に映えるイメージが浮かびます。すがすがしさと、美味しそうな焼き立てパンのイメージが浮かびます。
  • オーナーの人柄を打ち出す=「丸い笑顔のパン屋」
    少し太り気味体型のオーナーの笑顔が素敵なイメージが伝わります。パンの美味しさは、職人の腕と一体化してイメージされることが多いものです。食材へのこだわりや優しさ、そういった個性を打ち出すイメージ戦略として効果を発揮します。
  • パンの美味しさを打ち出す=「ふっくらつやつや、食卓が香りに包まれる瞬間」
    パンそのものを食するイメージから、欲しいという気持ちを膨らませることが出来ます。売ることが目的ではありあませんが、お店やパンの本当の価値を知っていただくことが出来ます。

2 メルマガ文章の書き方

メルマガの文章は、600字ぐらいから始めましょう。難しいことを書く必要はありません。重要なポイントを挙げておきますので、当てはめるだけでも600字は超えてしまいます。

  • 季節の動きを最初に書く
    秋になれば、「店の前にある銀杏の木から落ちた枯葉の掃除が大変です」だけで十分です。「栗やサツマイモを加えたパンの季節となりました」というだけで話はふくらみます。
  • パンの製造工程を少し紹介
    季節によって、パン生地にも少しずつ変化が生まれます。そんな、パン屋しか知らない、プロだからこそ身を持って体験している裏話や苦労を少し盛り込みましょう。
    季節によってこんなに違うんだ、ということが伝わるだけで良いのです。読者によっては、その記事をヒントに自分でパンを焼いてみることがあるかもしれません。家庭でもできる、簡単なコツをさりげなく添えることが読者との距離を近くする効果を生みます。
  • 新商品情報をさりげなく加える
    パン職人は、創意工夫との戦いを続けています。定番の売れ筋商品であっても、少しずつ改良を加えているものです。その都度紹介することはパンを購入する人たちを迷わすことになるので厳禁ですが、10年以上前の味との違いを少し紹介すると、どこが違うのか確かめたくなるものです。
    同時に、新商品があれば、こだわりを少し紹介しておきます。「どんな方に、どういう場所で食べてもらいたいか」を明確にして文章にすることが基本です。パンのPRではなく、パンの魅力を伝えることを優先します。

3 メルマガサンプル号の編集と発行申請

記事ができれば、メルマガサンプル号を編集します。
記事の頭と、記事の後に「タイトル」「発行者名」「日付」を入れるだけなので簡単です。仕切り線で、記事と分けておくようにします。
発行スタンドによって異なりますが、フォーマットとして保存しておくことができます。発行するときに、日付の部分を変え、新しい記事を入れれば、すぐに発行できます。時間の節約につながります。
記事はワードで書いて、コピー&ペーストで貼り付ければ完了です。
サンプル号を掲載して、発行承認を待ちましょう。

3)新規登録・発行の方法

メルマガ発行スタンドは、数社あります。メルマガ発行が行えるスタンドを紹介したサイトがあります。
リンク元:https://ferret-plus.com/1727

おすすめは「まぐまぐ」です。メルマガを広めたもっとも有名な発行スタンドです。何かの都合でタイトル変更が必要になった場合も、個別に対応してもらえます。
まぐまぐの新規登録はこちら→http://www.mag2.com/

1 新規登録

新規登録をクリックしたら規約に同意、メールアドレスを記入すれば終了です。登録したメールアドレスに送られてくるURLをクリックして登録することが出来ます。

2 発行手続きとサンプル号のアップ

新規メルマガ発行から「無料メルマガを申請」をクリックして規約に同意すれば、「メルマガタイトル」「メルマガのカテゴリー」「発行者情報」を記入して、発行手続きをします。
発行を前に、サンプル号をアップします。それによって審査が行われ、発行が認められれば正式に発行することが出来ます。

3 読者数よりも継続することが大切

1週間は「新しいメルマガ」として掲載されます。この時に、読者登録数が少なくても心配する必要はありません。「パン屋としてお客様に喜んでいただける情報を発信する」ということに目的を置いて、売上を作るんだ、ネットで販売するんだ、という欲を表に出さないことです。
「欲」から生まれるメルマガはすぐに飽きられ、結局、メルマガもすぐに発行しなくなります。とにかく、お店のブランドを定期的に発行し続けることが基本だという認識を明確にしておきます。

4)まとめ

メルマガ発行の目的を「売ること」ではなく、「お店の魅力とパンの魅力を知っていただくこと」としました。メルマガの発行目的は個人個人違うでしょうが、少なくとも職人としてのパン屋がこれからメルマガを発行するのであれば、売ることを目的にするべきではないでしょう。

その理由は簡単です。「売ろう、売ろう」という情報そのものがもうネット上で受け入れられなくなってしまっているのです。
売れない時代に売れる商品を生み出すためには、「価値の創造」と「お客様に受け入れられる価値」が共有される必要があるのです。共有から共感を生む情報が、メルマガの情報ということになります。ここを常に頭に置いて、お客様との距離が近くなるメルマガを発行しましょう。