パン屋の広告手法まとめ

今回の記事では、パン屋を繁盛させるための実践的な広告手法をご紹介します。
パン屋を開業している方や、パン屋を開業したいとお考えの方は、ぜひご一読ください。

1)チラシを出す(ポスティングを行う)

パン屋の広告手法として、まずチラシを出すこと(ポスティング)が挙げられます。
その作業は「デザイン制作 → 印刷 → 配布」の順番で行います。
デザインは、手作りでも外注でも構いません。
外注ですと、A4、片面のみ、カラー、原稿や写真素材は自分で用意する場合で、相場は3万円ほどです(安くて1万円、高くて5万円ほど)。

重要になるのは、デザインの内容(チラシの中身)です。
まず、お店のパンの写真は載せるようにしましょう。手作りパンの魅力は、文章よりも写真のほうが雄弁に語ってくれます。そのうえで、こだわりや店舗情報について記載しましょう。
そして、パンの写真や商品名とともに、値段も載せるようにしましょう。
値ごろ感の分からないお店より、値ごろ感の分かるお店のほうが、購買意欲も高まりやすく来店に繋がります。

また、チラシにはクーポン券や無料券を付けましょう。
パン屋において重要なのはリピート客です。目先の利益よりも、リピート客を増やすことを優先しましょう。
加えて、広告を行ううえで重要なのは「効果測定」です。クーポン券を付けると、その利用客数を把握できるため、チラシによる広告効果をより明確に測定できるようになります。

デザインが完了したら、次は印刷と配布です。
外注するなら、GISポスティングが可能なポスティング業者を選びましょう。
GISポスティングとは、地理情報システムを利用してチラシの配布対象を細かく設定できるポスティングのことです。
たとえば高級志向のパン屋なら、「半径1km圏内で30代以上、年収500万円以上に絞ったポスティング」なども可能ということです。
GISポスティングと効果測定を繰り返すことで、より費用対効果の高いポスティングを行うことができるようになります。
自分で配る場合は、徒歩10分圏内の方々に、挨拶をしながら配ると効果的です。
挨拶の際に、チラシだけでなく、無料でパンを配布しているパン屋もいます。

2)インターネットで集客する

パン屋のメイン客層は周辺地域の方々です。
インターネットで集客する場合も、周辺地域にアプローチする方法を考えましょう。

まずは公式ホームページや公式ブログを開設するとよいでしょう。
サイトタイトルには、店名、地域名、そして「パン屋」という単語を入れておきます。これにより、「地域名 パン屋」で検索した方が、お店の公式サイトに辿りつく可能性が高まります。
サイト内容としては、お知らせ、店舗情報、メニュー、おすすめのパン、こだわりなどを掲載し、閲覧者が来店したいと思える内容にしましょう。

また、SNS(ツイッター、フェイスブック、インスタグラムのいずれか)も開設してみましょう。
ユーザー名には、やはり地域名と「パン屋」という単語を入れておきます。
そして、普段から焼き上がりのパンの写真を投稿したり、店内の様子やお店の情報を書くようにしたりすると、自然とその地域のパン好きの方、つまり見込み客との交流が増えていきます。
なお、SNSのプロフィール欄には、公式サイトのURLを載せてアクセスできるようにしておきます。

LINEを利用する方法もあります。
LINE社の「LINE@」というアプリを利用することで、個人のお店でも、登録者に向けて簡単にキャンペーンやクーポン情報などの告知ができるようになります。
なお、公式サイトやSNSを開設したあとにチラシをだすときは、チラシにもURLを記載するようにしましょう。

3)地方紙、フリーペーパー、屋外看板などに広告を出す

地方紙、地域のフリーペーパー(フリーマガジン)、近場の屋外看板など、地域型の広告スペースに出稿するという広告手法があります。
地方紙の掲載料は広告枠によって大きく異なります。
1回掲載で数十万~数百万かかる広告枠がある一方、数百円から掲載できる三行広告などもあります。
もし地方紙の効果を試してみるなら1回掲載で数万円の広告枠になるでしょう。

ただし、パン屋の場合は、地元のグルメや食べ物屋に焦点をあてているタイプのフリーペーパーのほうが、費用対効果が高いでしょう。
フリーペーパーの掲載料は、1ページに広告掲載する割合で値段が決まります。一般的には、広告スペースが1ページ全て、2分の1ページ、4分の1ページ、8分の1ページ、16分の1ページの場合で区分します。
8分の1ページや16分の1ページの掲載であれば、通常は10万円以下の予算で掲載できます。

屋外看板に関しては、2015年に調査企業が「屋外広告に関するアンケート調査」(回答数11,901件)を行っています。
その結果によると、「特に目をとめる・印象に残る広告」は、「よく通る場所にある」「目立つところにある」が上位2位です。以下、「色やデザイン等にインパクトがある」「面白い」「目印・道案内になる」という理由が続きます。
屋外看板に出稿する場合は、上記のアンケート結果を考慮してみましょう。

なお、これらの広告手法は「効果測定」を行うことが非常に大切です。
効果測定を行い、費用対効果を確認したうえで、今後の出稿の継続可否を判断する必要があります。
効果測定の方法は、広告を出したあとの一定期間(1週間~1ヵ月)を測定期間として、通常の期間の平均的売上と比較することで、広告効果を判断するというものが一般的です。
また、来店客へのアンケートで、「どのようにして当店を知ったか」を尋ねるという方法もあります。

4)スタンプカード(ポイントカード)を作る

パン屋はリピート客を増やすことが大切です。
来店客のリピート率を高めるために、スタンプカードを作りましょう。
また、魅力的なスタンプカードはリピート率を高めるだけにとどまらず、所有しているお客様にとって、友人や知人などにそのパン屋を話題にするキッカケにもなり得ます。広告にもなり得るということです。
どこにでもあるようなスタンプカードではなく、いつも持ち歩いていたいと思えるような、お店の雰囲気にあった魅力的なスタンプカードの制作を考えてみましょう。 なお、スタンプカードの制作・印刷は外注することも可能です。

5)口コミサイトを活用する

食べログのような口コミサイトを活用する広告手法もあります。
食べログの場合、2016年6月の月間利用者数は7,265万人と発表しており、数多くの方々が利用しています。
2015年のグルメサイトの実態調査によると、「(スマートフォンで)利用したことのあるグルメサイト・アプリ」(回答数1,111人)では、食べログが1位となっています(2位はぐるなび、3位はホットペッパー)

そんな食べログには、店舗向けの有料プランが用意されています。
有料プランを利用することで、食べログ内での標準検索で上位表示ができたり、店舗ページの情報充実ができたりします。
有料プランには、月10,000円のライトプラン、月25,000円のベーシックプランなどがあります。
もしこの有料プランを利用するなら、やはり「効果測定」が大切です。
アクセス数を管理画面で確認したり、クーポン券を掲載したりできますので、それらを分析して効果測定を行うことが可能です。

6)店頭POPで惹きつける

店頭POPは、通行人の購買意欲を高める大切な広告手法です。
通行人の目を引き、惹きつけるような、魅力的な店頭POPを制作しましょう。
店頭POPで重要なのは、読みやすさと、キャッチーであることです。
キャッチーとは「人にうけそうなさま。人の注意を引きやすいさま」をいいます。

読みやすい大きな字で書き、色使いも一色にこだわらず工夫しましょう。
また、簡単なパンの絵なども描いておくと、より目を引きやすくなるでしょう。
「たかが店頭POP」と考えずに、少しでも読みやすく、読みたくなるような店頭POPを設置することが、集客の第一歩です。

7)まとめ

いかがでしたか?実践できるものから実践していきましょう。また、有料の広告は効果測定が大切です。チラシならクーポン券を付けたりと、広告効果の測定を行えるようにしたうえで、広告を出すようにしましょう。それにより広告効果の良し悪しや、継続可否が判断できるようになります。